Le Severo[ル・セヴェロ]

AGING BEEF

Preferred Aging Beef

「はじめに」

食文化の中心が肉というフランスにおいて、いわば国民食ともいえる牛肉のステーキ。そこでは、肉の味・余韻のしっかりとした、食べ応えのある赤身の肉が好まれます。『ル・セヴェロ』は、この赤身肉をさらに奥深く味わえるように、手間を惜しまず時間をかけた熟成法でご提供いたしております。噛むほどに旨味と香りが広がる熟成肉は、多くの人を虜にすることでしょう。

熟成肉

熟成肉

「熟 成」
肉を熟成するということ
=旨味を凝縮させること。

肉の熟成とは、肉を骨付きで寝かせることによって、脂肪の旨味と肉そのものの味が深まり、赤身肉の美味しさを高める技術です。
食肉処理後、肉は硬直しており収縮が起こりますが、それが時間が経つと内部の酵素の働きで筋肉細胞中のタンパク質が壊れて緩み、ペプチドやアミノ酸などに分解されていきます。その結果、肉質はより柔らかくなり、凝縮した旨味を感じられるようになります。しかしながら、この熟成もその状態を見ながら行き過ぎないように、温度・湿度などの面で管理することが大切です。
通常では、30日程で遊離アミノ酸の量が最大になるのですが、その肉の状態(水分量、脂肪含量)や、特質(齢、飼料、雄雌の別、経産か否かなど)によって、熟成期間に幅が出てきます。ものによっては60日以上寝かせてようやく食べ頃になるものもあります。そういったものは遊離アミノ酸の量が通常の数倍にも増えて味の濃い肉になります。加えて脂肪含量が少ないため胃がもたれず、通常の肉より柔らかく凝縮味のある味わいになるのです。

「火入れ」
豪快に焼いているようで、
実は繊細な火入れ。

美味しさの決め手となる火入れは、外をカリッと、中は旨味をギュッと閉じ込めて仕上げます。無駄な水分を飛ばした密のある熟成肉は、表面をしっかりと色をつけて旨味の流出を防ぎ、丁寧に油の量を調節することで油っぽさを取り除きます。
そして、ちょうどいい火の入り具合を見計らって一旦肉を取り出し休ませますが、このタイミングは肉の部位・肉質・厚みによってまったく異なるので、目と鼻と耳、そして感触を研ぎ澄まして見極めます。ここからの余熱での仕上げが、肉の旨みを保ちつつ内部まで熱の籠もった状態での提供を可能にします。
まるでキャラメリゼされたような香ばしい焼き色は食欲をそそり、その風味は口にしてもなお広がります。噛むほどに旨味が深まる味わいと、食感のコントラストをお楽しみください。

seisansya

「生産者」
日本の食を真剣に考える

今回、日本進出に伴い、レストランの枠組みからもう一つやりたいことが日本の食肉事情の見直しです。私はフランスに在住しておりましたが、海外から見る日本のその食生活は、とても不健康そうに思われました。生産性の効率化を優先にして作られた肉に、何かしらの疑問や不信感といったものを少なからず皆様も感じているのではないでしょうか。近年「食育」という言葉を耳にする機会が多くなったのも、その現れかと思います。
畜産業で言えば、安全な飼料の確保(遺伝子組換えの問題等)、また、食肉の流通についての不明確さなどがありますが、その中にあって私たちは、積極的に現状の課題を改善しようと日々努力されている信頼のおける生産者を自分達の足で回り、その繋がりを大事にしながら常に最高なものを探していく姿勢が重要と考えます。
また、肉はもちろん野菜などにしても、実際にその食材がどのようにしてお客様に出されているか。逆に生産者がどのようにして作っているか。そういった作る人と食べる人の生の声を繋げる架け橋となるようにしたいと考えています。

「おわりに」

熟成肉といっても、それは多種多様です。というのも現在日本では、熟成の仕方や期間などにこれといった定義や規制がありません。提供する店によって品質や安全管理の基準もバラバラです。そのため自己流で数日置いただけでも「熟成肉」という表記ができてしまいます。ル・セヴェロでは、熟成肉について十分な技術と知識を持った料理人が専用の熟成庫で管理した、40日〜60日、あるいは90日まで熟成させたものを自信をもってお出ししております。
こういった安心で美味しい熟成肉を、ル・セヴェロは生産者からお客様へ繋げていき、一人でも多くの方々に味わって頂きたいと願っております。近年、日本でも健康志向の高まりから赤身肉、そして熟成肉への評価が認知されてきておりますが、この熟成肉が一過性のものではなく、日本の食文化に根づくことに貢献できましたら幸いです。

柳瀬 充エグゼクティブ・シェフ 柳瀬 充